連載 考える力を育てるシンキングツールの活用・10【最終回】
多面的に評価して判断するときのPMI
黒上 晴夫
1
1関西大学総合情報学部
pp.80-81
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200679
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多面的な評価にもとづく判断を促す
最終回は,PMI(プラス・マイナス・インテレスティング)を紹介します。これは,デ・ボーノ*が提唱するツールです。何かを決めたり,新しいことを企画しなければならないときに,考えが凝り固まってどうにもならなることがあります。これは,「知性の罠」と呼ばれています。こんなときに,新しい方向性を見出して,判断の幅を広げるために用いるのがPMIです。
Pは,考える対象についての「良い点」(ポジティブな点),Mは「悪い点」(ネガティブな点)です。そして,Iは「気にかかる点」です。手順としては,まず「良い点」について,考えつくだけ列挙します。ブレインストーミングと同じで,挙げたものについて,あまり掘り下げて考えてはいけません。次に,「悪い点」について列挙します。やはり,挙げた考えについては,再考しないようにします。そして,「気にかかる点」を列挙します。実際には,P,M,Iの手順で書かない場合もあります。
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