特集 肝胆膵
【各論】
【コラム⑥】急性肝不全の原因となるウイルス—注意すべき病歴と診断を中心に
山田 航希
1
,
篠浦 丞
2
Koki YAMADA
1
,
Susumu SHINOURA
2
1沖縄県立中部病院 消化器内科
2国際医療福祉大学 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部 医療マネジメント学科
pp.682-688
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900590
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本稿では,急性肝不全の原因となるウイルスの注意すべき病歴および診断法(表1)について述べる1)。まず理解しておくべき概要は次のとおりである。
・A型肝炎ウイルス,およびE型肝炎ウイルスは通常慢性化せず,病歴聴取が診断のきっかけとなる。
・HBe抗原,HBe抗体は,B型肝炎ウイルス感染確定者に対するvirulencyを把握するのための項目であり,最初の血清学的検査では提出しない。
・B型肝炎ウイルスキャリアのHBV-DNA定量値の急激な上昇は,急性増悪や再活性化を疑う。急性感染の確認にはIgM型HBc抗体を追加提出する。
・C型肝炎ウイルスが急性肝不全の原因となることは一般的にまれである。
また,肝炎ウイルス以外のウイルスとして,EBウイルス,ヘルペスウイルス,サイトメガロウイルスについても論じる。
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