特集 肝胆膵
【各論】
【コラム⑤】急性肝不全/劇症肝炎—定義と成因,日本における治療の実際
山田 航希
1
Koki YAMADA
1
1沖縄県立中部病院 消化器内科
pp.674-681
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900589
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肝不全liver failure(LF)とは,高度の肝機能障害のために,肝性脳症,黄疸,腹水などの症候を示した状態のことをいう。これら3つの症候は肝不全の三大徴候ともよばれ,特に肝性脳症は肝不全に特異的かつ最も重症で,肝不全の十分条件であることから,便宜的に肝性脳症をきたした肝障害を肝不全と定義することも多い。
肝不全は,発症から肝不全症候が出現するまでの期間で大まかに分けられる。日本では,発症から肝不全症候出現まで8週以内の急性肝不全acute liver failure(ALF),8週以降24週以内の遅発性肝不全late-onset hepatic failure(LOHF)および24週以降の慢性肝不全に分類される。慢性肝不全は非代償性肝硬変に代表され,肝不全とともに門脈圧亢進症を呈するのが特徴である。
本稿では,急性肝不全の定義とその成因を確認し,日本における治療の実際についてまとめる。
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