特集 消化管疾患
3.慢性下痢,免疫不全者の下痢を中心に—性状からの鑑別,注意すべき免疫不全者の感染性下痢
谷口 智宏
1
,
篠浦 丞
2
Tomohiro TANIGUCHI
1
,
Susumu SHINOURA
2
1沖縄県立中部病院 感染症内科
2沖縄県病院事業局 県立中部病院兼県立病院課
pp.647-663
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900329
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本稿ではまず急性下痢と慢性下痢の定義について述べる。特に鑑別が問題となる慢性下痢については,炎症性,脂肪性,水様性,その他に分類し,臨床的特徴と鑑別診断を,続いて,問診,診察,検査で注意すべき重要なポイントを挙げる。感染症の原因微生物を特定するために欠かせない便検査は,鏡検と培養について,筆者らの経験を交えつつ詳細に記載する。慢性下痢の原因は,通常は非感染性だが,免疫不全者では感染性が多く,免疫不全者,特にヒト免疫不全ウイルスhuman immunodeficiency virus(HIV)については別項目を設ける。消化器症状を主訴に初診し得るHIV感染者を早期診断するコツについても言及する。
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