特集 周術期マネジメント
【コラム】術後肝障害のワークアップ—術後肝障害の鑑別に「術後黄疸」「術後高ビリルビン血症」を忘れない
篠浦 丞
1
Susumu SHINOURA
1
1沖縄県立中部病院 消化器内科
pp.314-318
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900163
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術後肝障害の頻度は報告により異なり,採血でたまたま肝障害が見つかる無症状の場合から,肝不全で死亡する場合まで,その頻度は25〜75%とされる。術後肝障害の高リスク因子として,手術でいうと上部消化管手術が,原因疾患や病態でいうと,膵炎,胆囊炎,胆管障害がある1)。
表1に術後肝障害の原因疾患リストを示した。ここでの分類は,肝細胞障害・胆汁うっ滞性肝障害・間接ビリルビン上昇としたが,これらはあくまで便宜的なもので,実地臨床ではこれらの混合型となることが多い。
本稿では術後肝障害について,黄疸を中心に述べる。なお術後,特に注意すべきは肝硬変患者にみられる術後合併症であるが,この点については臨床メモ①を参照されたい。
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