特集 腎疾患2
【腎疾患管理に必要な知識】
【コラム②】尿酸の生理学—ウリカーゼをもたない私たちの,古くて新しい問題
塚原 知樹
1
Tomoki TSUKAHARA
1
1つくばセントラル病院 腎臓内科
pp.36-44
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900506
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1776年,ドイツ・ポメラニア地方(当時スウェーデン領)で,化学者Karl Wilhelm Scheeleが膀胱結石から単離したlithic acid1, 2)。結石だけでなく正常な尿にも含まれることから,のちに「尿酸」と改名されて1, 2)久しい現在,私たちはこの物質についてどこまで理解し,また理解していないのだろうか?
その問いに答えるため,本稿では,ウリカーゼをもたないヒトの尿酸代謝,食事による体内尿酸プールの変化,尿酸の腎臓における濾過・再吸収・排泄のしくみ,腎の尿酸排泄に影響する因子のほか,尿酸と慢性腎臓病(CKD),CKDにおける高尿酸血症の治療,尿酸値のターゲット,利尿薬を使って尿酸が上がった場合のマネジメントなどについて概述する。
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