社会の窓
新しい世代・古い世代
野口 肇
pp.48
発行日 1963年8月10日
Published Date 1963/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202903
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ここ数年,新しい世代と古い世代の対立をめぐる議論がはやる.むろんこの議論はこの数年とかぎらない.第二次大戦の直後からいわれだしたもので,人を戦前派・戦中派・戦後派とわけ,とくに戦争体験を知らないまったく新しい世代とそのエネルギーに期待をかけるはこびだ.
それでは世代に新旧があるかないか.たしかにみわたせばいくつもある.すこし角度はちがうが内閣調査室発行の「国民の国防意識」には「戦争の脅威をうけつける体験と実感をもった世代がいつまでも支配的とはいえない,それを完全に欠いている世代がいまや登場しつつあることを忘れてはいけない.大胆に10代,20代に"憲法改正・再軍備問題ぞをアピールして,かれらを組織するものが明目をリードするといえる……」とかいている.いまの若い者は愛国心がないといつも文句をつけながら半面ではそういうのだ.
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