巻頭言
古くかつ常に新しい問題・アノキシヤ
恩地 裕
1
1大阪大学医学部麻酔科
pp.191
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202468
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麻酔中,重度外傷後,大手術後の患者のようなクリティカルな状態にあるものの管理に当って,最も重要な問題は酸素をいかに与えるかということである。患者の側からするとどれだけ酸素を消費しているかということである。アノキシヤということは十分な酸素が消費されていないのであるが,必要がないのか,必要だが使えないのか不明の場合も多い。こういう点についての理解は,われわれの生理学的知識の段階に応じて,古くから段々と深化して,常に新しい問題となっている。
使用される酸素の量は〓(CaO2—C〓O2)であるから,多くの因子によって決定される。まず第1は心搏出量で,第2は動脈血酸素含量,第3は〓・CaO2,第4は静脈血酸素含量,第5は動静脈血間酸素較差である。
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