Japanese
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特集 臓器移植――限界と挑戦
腎臓再生の現状と小児医療への応用
Current status of kidney regeneration and its application to pediatric medicine
稲毛 由佳
1,2
,
松本 啓
1
,
横尾 隆
1
Yuka INAGE
1,2
,
Kei MATSUMOTO
1
,
Takashi YOKOO
1
1東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科
2同小児科
キーワード:
再生医療
,
腎再生
,
胎生臓器補完法
,
腎代替療法
,
低ネフロンナンバーモデル
Keyword:
再生医療
,
腎再生
,
胎生臓器補完法
,
腎代替療法
,
低ネフロンナンバーモデル
pp.715-719
発行日 2021年11月13日
Published Date 2021/11/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27907715
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末期腎不全の患者は増加の一途をたどっている一方,腎移植のドナーは不足しており,腎代替療法は透析が中心となっている.臓器再生の分野はさまざまな臓器において活発に発展を遂げているが,腎臓は複雑であり,臓器再生が困難な臓器であると考えられてきた.それでもさまざまな角度から臓器再生の研究やメカニズムの解明が行われている.筆者らは,発生段階にある動物の腎発生領域にヒト間葉系幹細胞を注入し,異種の発生プログラムを借りた “胎生臓器補完法” を主軸として研究を続けてきた.遺伝子改変マウスを使って異種ネフロン前駆細胞をアポトーシスさせる方法,ネフロンだけでなく間質もヒト-マウスキメラ細胞で構築された腎臓の作製,尿排泄経路もまとめて成長する方法,ブタなどの大型動物を用いた方法など,現在も研究は発展している.さらには低ネフロンナンバーをもつ動物モデルの作製など,臓器再生という観点から派生した研究も行っている.課題は山積みだが,臓器再生が腎代替療法のひとつになることを信じ,今後も研究を続けていく.
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