特集 感染症
【コラム】PCTとCRPは本当に有用か?—プロカルシトニン(PCT)とC反応性タンパク(CRP)のエビデンス
有好 信博
1
,
藤谷 茂樹
2,3
Nobuhiro ARIYOSHI
1
,
Shigeki FUJITANI
2,3
1練馬光が丘病院 総合診療科
2東京ベイ・浦安市川医療センター
3聖マリアンナ医科大学 救急医学
pp.209-217
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900428
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細菌感染症は,外傷,膵炎,血管炎,移植による拒絶反応などと同じ症状を呈する場合があり,その診断が困難なことがある。細菌感染の最も正確な検査は培養検査であり,ウイルス検査では二相性の抗体検査や抗原検査などだが,これらは時間がかかるため,早期の診断には適していない。細菌感染症には抗菌薬が基本的に有効であるが,ウイルス感染症や非感染性の炎症性疾患に対しては効果がないばかりか,コストの増加,副作用のリスク,薬剤耐性菌の発生を助長することになる。Infectious Diseases Society of America(IDSA)は,多剤耐性菌の発現を抑制するには,不必要な抗菌薬の使用を控え,de-escalation,早期の抗菌薬中止が必要としている。早期の診断,感染症の再発に影響を及ぼさない抗菌薬使用期間の短縮が求められるなか,指標としてバイオマーカーの有用性が検討されている。本稿ではプロカルシトニン(PCT)とC反応性タンパク(CRP)の,①初期診療における感染症の診断,②予後予測,③治療の指標としての有用性,について考える。
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