特集 消化管疾患
【コラム】消化管癌治療後の愁訴—経過年数もふまえた手術の影響を考慮する
岸田 明博
1
Akihiro KISHIDA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 外科
pp.727-733
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900335
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
いわゆる不定愁訴の鑑別診断において,頸部や胸部,腹部,会陰部の手術痕の検索は重要である。問診だけでは不確かな情報しか得られないことも多いが,手術名と悪性疾患を含めた原疾患の把握は最も大切である。
術後の不定愁訴は時間の経過とともに軽快することが多い。したがって,手術の影響を不定愁訴の要因として考えるか否かについては,術後の経過年数が大きく影響することになる。術後早期の不定愁訴は手術法や再建法に精通した外科医が対応することになるが,晩期においては,症状の曖昧さや情報の希薄化によって,診断が遅れることも想像に難くない。疑うことと病態を熟知したうえでの的確な問診が診断の決め手となる。
Copyright © 2014, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.