特集 緩和ケア
11.非がん疾患の緩和ケアの動向—不確実で複雑な状況のなかでジェネラリストができること
大石 愛
1
Ai OISHI
1
1University of Edinburgh, Centre for Population Health Sciences, Primary Palliative Care Research Group
pp.1015-1026
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900311
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■非がん疾患の緩和ケア:定義と役割
1960年代に現代ホスピス・緩和ケア運動が始まった当初,緩和ケアの主な対象は,当時の悲惨な死の典型であった若年がん患者であった。がん疾患を緩和ケアの中心におくことにより,緩和ケアにおける教育,研究の発展が達成されたという一面もある1, 2)。
それから約50年が経過した今日,私たちを取り巻く生死と終末期の状況は大きく変化している。世界的に高齢化が進み,認知症や長期慢性疾患によるさまざまな負担の増加が問題になってきている3, 4)。人口動態や疾病構造の大きな変化をふまえ,緩和ケアも社会のニーズに応じて変化していく必要があるといえる。
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