特集 緩和ケア
10.内科疾患の終末期におけるマネジメント:各論—脳梗塞,心不全,認知症,COPD
平岡 栄治
1
Eiji HIRAOKA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
pp.985-1013
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900310
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疾患の段階は,初期に始まり高度に進行した時期を経て,終末期に至る(advanced stageからend stage)。がんに関しては予後推定や緩和ケアへの注目度は高く,がん緩和ケア講習会をはじめ,さまざまな勉強会で多くの医療従事者が終末期のマネジメントについて学習している。しかし,がんは死因の30%にすぎない1)。心疾患,脳卒中,認知症,慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺疾患といった,がん以外の疾患が原因で死亡することのほうが多い。したがって,それらの予後推定や緩和ケアについてホスピタリストは知っておかなければならない。
別稿*1では,意思決定法として医学的要素(エビデンス),患者の要素,周囲の状況・環境の要素を考え,統合する方法を紹介した。医学的要素では,終末期かどうかを考えるうえで予後推定が非常に重要である。本稿では,脳梗塞,心不全,認知症,COPDについて,予後推定,各疾患に特異的な症状緩和についてまとめ,最後に予後推定ツールの使用上の注意について述べる。
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