特集 緩和ケア
7.緩和ケアと医療倫理・法的側面—臨床家として理解しておくべき現状
黛 芽衣子
1
Meiko MAYUZUMI
1
1帝京大学医学部附属病院 緩和ケア内科
pp.953-962
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900307
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たとえ病気を治すことができなくとも,また,加齢などによる身体の衰えの進行を止める,あるいは逆行させることができなくとも,可逆性の要素を可能なかぎり補正し,患者のquality of life(QOL)に寄与するべく診療を行うのが医療者の役割である。医療が発展し,さまざまな選択肢が増えた現在,医療者は現場で倫理的観点からクリアカットに結論づけることの難しい局面に遭遇することが多い。すなわち,提供する医療的措置が必ずしも患者のQOLにつながらないかもしれない,あるいはその可能性のほうが高いと予測されるような局面である。
本稿では,ホスピタリストが知っておくべき医療倫理の考え方と法的側面について解説する。また,日米両国における治療中止,差し控えに関する社会的状況,法的状況の違いにもふれる。
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