特集 緩和ケア
8.アドバンス・ケア・プランニング—コード確認や事前指示を含めた意思決定プロセス
八重樫 牧人
1
Makito YAEGASHI
1
1亀田総合病院 総合内科
pp.963-972
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900308
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治療に応じて,それなりの確率で良い日常生活動作activity of daily living(ADL)に戻る患者では問題になることは少ないかもしれないが,予後やADLが不良な患者では,侵襲的で望みが少ない治療をどれだけ行うか,あるいは行わないかは臨床医にとっての悩みの種である。特に,高齢化に伴い患者の平均年齢が高い日本の臨床では重要な事柄である。また,治療を行うか,あるいは行わないかの意思決定を誰が行うのか,患者本人に意思決定能力がないときに誰が意思決定を行うのか,急変して入院してからの患者の診療にあたるホスピタリストにとって,悩みは尽きない。一方,そのなかには基本的な概念をよく理解すれば,複雑な問題が簡略化できて,方針を決めていくことができる事柄も数多くある。本稿では,まず典型的な症例を提示し,その背景・概論を交え,具体的にどのように方針を決め〔アドバンス・ケア・プランニングadvanced care planning(ACP)〕,患者の価値観に応じた最適な医療を提供していくかについて述べる。
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