特集 外来における予防医療
9.カウンセリング編—患者との距離が近いホスピタリストにとって重要な行動変容へのアプローチ
松田 真和
1,2
,
城向 賢
1,3
,
鳴本 敬一郎
1,4
,
杉村 基
4
Masakazu MATSUDA
1,2
,
Ken JOKO
1,3
,
Keiichiro NARUMOTO
1,4
,
Motoi SUGIMURA
4
1静岡家庭医養成プログラム
2菊川市立総合病院 家庭医療科
3藤枝市立総合病院 産婦人科
4浜松医科大学 産婦人科家庭医療学講座
pp.493-506
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900266
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日本人の3大死因は,悪性新生物(28.8%),心疾患(15.5%),肺炎(9.7%)であり1),入院患者の疾病分類別では,精神疾患,循環器疾患,悪性新生物が上位3疾患を占める2)。悪性新生物では,男女とも肺癌と大腸癌が上昇傾向にあり1),心疾患と同様に,喫煙や食事の欧米化を含めた生活習慣が強くかかわっている。一般診療医療費の約31.8%が生活習慣病であり,なかでも喫煙と高血圧は成人死亡の主要な決定因子である3)ことや,健康的な生活習慣と癌発生リスクの減少に関連性がある4)ことから,不健康な習慣や行動に対する行動変容behavioral changeへのアプローチは,外来診療で非常に重要な位置を占める。
本稿では,行動変容へのカウンセリングを行ううえで理解しておきたい理論やモデルとともに,4つのトピック(禁煙,高齢者の転倒,家族計画・避妊,アルコール多飲)を交えながら実践的なアプローチ法について述べる。
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