特集 外来における予防医療
6.癌検診編:②子宮頸癌—外来における疾患知識の啓発,検診の勧奨が望ましい
松本 真悟
1,2
,
中山 明子
1,2
Shingo MATSUMOTO
1,2
,
Akiko NAKAYAMA
1,2
1大津ファミリークリニック
2洛和会音羽病院 家庭医療科
pp.349-355
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900248
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■疫学
日本における子宮頸癌の罹患数は,8779人(2002年推定値),死亡数は2481人(2006年確定数)であり,女性の癌では罹患数で9番目,死亡数で12番目に多い1)。年齢調整罹患率,年齢調整死亡率は,1990年までは微減傾向であったが,以降はほぼ横ばいである。年齢階級別の罹患率(人口10万人当たり)を2002年までの20年間でみると,40歳以上の罹患率が減少傾向にあるのとは対照的に,20〜39歳の罹患率は増加傾向にある1)。
また,日本産科婦人科学会・婦人科腫瘍委員会に登録された子宮頸部浸潤癌の患者の年齢分布をみると,1982年では50代に分布のピークがある2)が,2005年では40代を中心に30〜50代にかけてピークがみられ,20〜30代でも患者が大幅に増加し,罹患の若年化傾向がみられる3)。
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