ウイメンズヘルス
子宮頸癌~予防・検診・治療
温泉川 真由
1
1がん研有明病院婦人科医長兼総合腫瘍科副医長
pp.60-63
発行日 2020年5月30日
Published Date 2020/5/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.06.01_0060-0063
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子宮頸癌は日本人女性の罹患する癌としては第11位,婦人科悪性腫瘍内では子宮体癌に続いて2番目に多い1)。罹患年齢が30~40代のAYA(adolescent and young adult)世代とされる若年女性に多く,女性の結婚・出産・就業などライフイベントに大きく影響する(図1)1)。子宮頸癌の約90%以上でヒトパピローマウイルス(human papilloma virus:HPV)感染が確認されている2)。HPVには100種類以上のタイプがあり,子宮頸癌に関与する高リスクタイプは16/18/31/33/35/45/52/58など約15種類で,特に16/18型は子宮頸癌の約70%に関与する3)4)。性交渉により感染し,女性が生涯にHPVに感染する割合は約50%とされるが,約90%は自然排出される。しかし,一部は持続感染しHPVのDNAが子宮頸部細胞のDNAに取り込まれることにより,異形成,上皮内癌を経て浸潤癌へと進む4)5)。原因が明確であるため,予防,検診が確立した珍しい癌である。
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