特集 血液疾患
【コラム】抗凝固療法と周術期の凝固異常マネジメント—その薬理と使用法,最新の動向
前田 琢磨
1
Takuma MAEDA
1
1国立循環器病研究センター 輸血管理室/麻酔・集中治療科
pp.920-928
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900194
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ある患者が外科手術を受けねばならないが,抗凝固薬を服用している。さて,出血のリスクを考慮し,術前に抗凝固薬を中止すべきか,塞栓のリスクを考慮してそのまま継続すべきか,それともその間ヘパリンで代用すべきか…。臨床医としては頭の痛い問題である。
『周術期肺血栓症/深部静脈血栓症予防ガイドライン』1),『産婦人科診療ガイドライン』2)も整備され,抗凝固薬投与を受けていない患者にも,周術期血栓症予防のために抗凝固薬を使用する機会が増加している。また,ワルファリンに代わる新規経口抗凝固薬が適応となり,我々は多種の抗凝固薬の薬理と使用法を熟知する必要がある。
本稿では,臨床で遭遇する抗凝固薬とその周術期管理について概説する。
Copyright © 2015, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.