特集 術前・術後管理 '91
D.特殊病態患者の周術期管理
抗凝固剤使用患者の周術期管理
石山 賢
1
,
渡邉 千之
1
1自衛隊中央病院外科
pp.78-79
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900567
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■抗凝固療法と一般外科手術■
開心術後,特に人工弁置換術後,各種動脈バイパスなどの術後,脳あるいは冠動脈血栓症の治療や悪化予防,血液透析のシャント形成患者などに長期抗凝固療法は行われる.使われる薬剤としては,ヘパリン(注射),coumarin系およびindan-dione系(内服)などの薬物がある.これらの患者にも,ときに一般外科的処置ないし手術が必要になることがある.その場合,2つの方面から配慮が必要になる.
1つは,当然のことながら凝固反応が抑えられているわけだから,術中出血が多くなるであろうし,術後出血などのトラブルも予想されるため,それに対して,抗凝固作用を一定期間弱めたりあるいは中止しようという場合であり,他方は,短期間でも抗凝固療法を中止するための血栓形成などの危険への配慮である1).
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