特集 抗血栓療法の最近の動向
抗凝固,抗血小板療法の最近の動向
後藤 信哉
1
1東海大学医学部内科学系循環器内科学教授
キーワード:
凝固系
,
血小板
,
出血
,
血栓症
Keyword:
凝固系
,
血小板
,
出血
,
血栓症
pp.11-16
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.05_0011-0016
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「Ⅰ.有効性か安全性か」血液凝固系を阻害する薬剤を抗凝固薬,血小板細胞の機能を阻害する薬剤を抗血小板薬と称する1)-3)。血液凝固反応は試験管のなかで容易に再現できる1)。抗凝固薬は,試験管内にて再現された血液凝固反応を阻害する薬剤として開発された。試験管内の血液凝固と各種血球細胞存在下の血管内の血液凝固には差異もある4)。それでも,先天性出血性疾患のスクリーニングに成功した各種凝固時間計測法の工夫により,生体内の出血イベントと相関する試験管内の血液凝固検査法が複数開発された1)2)。抗凝固薬が「抗凝固薬」である限り,重篤な出血性合併症を増加させることは仕方ない。血小板は,血管壁損傷部位に集積して止血に寄与する細胞である1)-3)5)。血小板の止血機能のすべては解明されていない。それでもGPⅡb/Ⅲaを欠損した血小板無力症,P2Y12 ADP受容体など各種受容体蛋白を欠損した先天性疾患が出血性疾患であることから6)7),止血における血小板の必須の寄与が想定される。「血液凝固」が試験管内にて容易に再現できることに比較して,「血小板細胞」の生理機能の再現は困難である。「KEY WORDS」凝固系,血小板,出血,血栓症
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