診断のポイント
高ビリルビン血症
古谷 健太郎
1
1国立札幌病院内科
pp.543-545
発行日 1969年5月10日
Published Date 1969/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202652
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黄疸とビリルビンの相関
昔から黄疸はMeulengracht指数法で測定されてきた.しかし健康人血清の黄色調は,その75%をビリルビン(以後"ビ"と略す)に,また25%をlipochromeに負うといわれる.したがって黄疸の存在を正しく知るためには,血清"ビ"の定量をしなければならない.そして血清"ビ"濃度が1.0mg/dl以上に増加しているときは,高"ビ"血症であるし,すなわち黄疸である.黄疸をみるとき,Popperらにもとづく分類表(下記)をもとに鑑別をすすめるのも,よい方法である.
またこの総"ビ"は間接"ビ"と直接"ビ"とからなっている.間接"ビ"は網内系で血色素からつくられ,流血中では血清Albuminと結合して存在する"ビ"であって,これが肝細胞内にとり込まれて抱合されると直接"ビ"になる.
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