特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
IV.肝・胆・膵
2.血中ビリルビンの異常
高ビリルビン血症
古谷 健太郎
1
1国立札幌病院・内科
pp.1084-1086
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204210
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黄疸とビリルビンの相関
古くから黄疸はMeulengracht指数法で測定されてきた.しかし健康人血清の黄色調は,その75%をビリルビンに,また25%をlipochromeに負っている.したがって黄疸の存在を正しく知るためには,血清ビリルビンの定量をしなければならない.そして血清ビリルビン濃度が1.0mg/dl以上に増加しているときは,高ビリルビン血症であるし,すなわち黄疸である.黄疸をみるとき,Popperらにもとづく分類表を念頭に置いて鑑別をすすめるのも,よい方法である.
またこの総ビリルビンは間接ビリルビンと直接ビリルビンとからなっている.そして間接ビリルビンは網内系で血色素からつくられて,流血中では血清アルブミンと結合しているが,これが肝細胞内にとり込まれて抱合されると直接ビリルビンになる.
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