特集 周術期マネジメント
【ミニコラム】植込み型除細動器,ペースメーカの周術期の取扱い—誤作動と感染の予防
里見 和浩
1
Kazuhiro SATOMI
1
1東京医科大学病院 循環器内科
pp.272-276
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900158
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心臓植込み型デバイスは,ペースメーカから,植込み型除細動器(ICD),両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D),心臓再同期ペースメーカ(CRT-P),さらに植込み型ループレコーダまで,多岐にわたるようになった。心臓突然死の一次予防や心不全患者への適応,植込み患者の予後改善,人口の高齢化に伴う適応患者の増加に伴い,植込み例は年々増加している。特にICD/CRTの新規植込み数は,2006年の3454例から2014年の5789例と,顕著である1)。
このような背景のなかで,循環器内科医のみならず,一般内科医や外科医などがデバイス植込み患者の対応を行う機会が増えつつある。デバイス植込み患者において,手術や電子医療機器使用の際には,循環器内科医,臨床工学技士,デバイスメーカーの技術者にコンサルトし,周術期のデバイス管理の指示を仰ぐ必要があるが,基本的な対応については専門家でなくとも知っておくべきである。
侵襲的治療時のデバイス植込み患者に発生し得る問題として,電磁障害electromagnetic interference(EMI)による誤作動や機能停止,デバイス感染がある。デバイス植込み患者においては,これらの合併症の予防に注意を払う必要がある。
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