Japanese
English
装置と方法
植込み型除細動器
Implantable Cardioverter Defibrillator
田中 茂夫
1
,
池下 正敏
1
,
庄司 佑
1
Shigeo Tanaka
1
,
Masatoshi Ikeshita
1
,
Tasuku Shoji
1
1日本医科大学胸部外科
1Department of Surgery Ⅱ, Nippon Medical School
pp.357-363
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900650
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はじめに
心臓急死に対する治療法として,近年,注目されているのが植込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator;ICD)による治療法である1〜3).心室頻拍(VT),心室細動(VF)などの致死性不整脈は心臓急死の主要な原因の一つであり,米国では年間約40万人が不整脈による突然死に至るとされている.従来,これらの不整脈に対する治療法として,抗不整脈薬による内科的治療の他に,心内膜切除術,副伝導路切断術などの外科的治療,あるいはカテーテル・アブレーションなどが行われてきた.これらの治療法は不整脈発生を防止あるいは頻度を低下させる根本的な治療法である.
一方ICD植込み術は,発生した不整脈を停止させることはできるが,根治療法ではない.本装置を用いた初めての臨床例は1980年にMirow-skiら4)により行われた.以後,症例数は年々増加し,これまで約3万個の装置が欧米を中心に植込まれている.わが国でも1990年1月から本装置の臨床治験が開始され,現在継続中である.本法は突然死の防止法としてこれからの発展が期待される新しい治療法の一つである.ここでは本装置の原理と構造,手術術式などについて述べる.
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