Topics Respiration & Circulation
植込み型ペースメーカ
松本 直樹
1
1聖マリアンナ医科大学第二内科
pp.731-732
発行日 1997年7月15日
Published Date 1997/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901524
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■最近の動向 現代の植込み型ペースメーカは高い安定性と高機能を兼ね備えている.その作動は生理的作動に近く,実用上完成の域と考える人も多いが,技術進歩に裏打ちされて,さらなる開発が進んでいるのが現状である.一つの進歩の方向は小型化で,機能の簡素化や電池改良以外にも,自動閾値測定による出力抑制,ステロイドリードや特殊形状の電極による刺激効率改善などの周辺技術の進歩によって大きく進歩している.また,生理的作動のための技術進歩も著しく,1本リードによる心房心室感知刺激システム(single pass VDD/DDDシステム),rate responsiveシステムのための新しいセンサーの開発などがみられる.さらに将来を展望すると,究極の抗不整脈機器の姿として,DDD-Rペースメーカに抗頻拍ペーシング機能と除細動用ショック機能を兼ね備えた,DDD-RDシステムが開発の視野に入りつつあることを特記したい.このように技術進歩が続いている分野から,本項では「心内で感知出来る生体情報を利用して正しく機械を作動させるための技術」に関連した3題の文献を紹介するが,異なるアプローチを持った3つの研究とも,「有効な血圧を心臓が生み出しているかどうか」を正しく感知することを目標にしているともいえる.これらが将来のDDD-RDシステムにどのように反映されていくのか,興味深いところである.
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