徹底分析シリーズ ペースメーカ使えますか?
植込み型除細動器の適応と設定—周術期管理を中心に
里見 和浩
1
Kazuhiro SATOMI
1
1東京医科大学病院 不整脈センター
pp.1074-1077
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201800
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ICDとは(図1〜3)
植込み型除細動器implantable cardioverter defibrillator(ICD)は,Mirowskiらにより開発され,1980年に第1例が植え込まれた。右室に植え込まれたリードにより,右室の心拍数がモニタリングされ,設定された心拍数を超えると心室頻拍(VT),ないし心室細動(VF)と診断される。診断されたVT/VFに対して,自動的に治療を開始し,停止させる心臓植込み型デバイスである。
ICDの治療には,鎖骨下の皮下に植え込まれた本体から右室リードへ送出される電気ショック治療と,VTの心拍数よりも速いレートで行われる抗頻拍ペーシングの二つの方法がある。電気ショック治療は,VFでははじめから最大ショックを送出し,可及的に停止を試みる。VT発症直後は,血行動態が安定していることが多いため,まず抗頻拍ペーシングを行い,VTが停止しなければ,電気ショックを送出する。
Copyright © 2020, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.