特集 周術期マネジメント
【ミニコラム】術前心エコー図検査は必須か?—ガイドラインと臨床のニーズとの間のギャップとは
北井 豪
1,2
Takeshi KITAI
1,2
1Cleveland Clinic, Heart and Vascular Institute, Department of Cardiovascular Medicine
2神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
pp.242-246
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900154
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循環器内科医が非常によく経験する他科からのコンサルトが,術前のリスク評価に関する相談,もしくは,より直接的に心エコー図検査の施行依頼である。非心臓手術の周術期合併症リスクの予測には,術前心エコー図による評価よりも,症状と運動耐容能の評価が重要とされている。しかし,ガイドラインの推奨と臨床でのニーズ(コンサルト)の間にはギャップが存在する。
術前心エコー図検査が有用なのはどのような症例か。無症状の心機能低下を術前に診断することに意味はあるのか。心不全患者では,術前心エコー図検査の施行により周術期合併症リスクを減らすことが可能か。駆出率(EF)が保たれた心不全(HFpEF)とEFの低下した心不全(HFrEF)で,そのリスクは変わるのか。
本稿では,ガイドラインでの推奨と,これまでのエビデンスをふまえ,筆者の私見も交えながら,これらの点について考える。
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