徹底分析シリーズ 痛みのバイオロジー
コラム:痛み研究の展望―いかにして基礎と臨床のギャップを埋めるのか
紙谷 義孝
1
Yoshitaka KAMIYA
1
1横浜市立大学医学部 生体制御・麻酔科学/神経解剖学
pp.490-492
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101527
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米国では痛みによる社会的経済的損失の大きさが議会で取り上げられたことをきっかけに,国家プロジェクトとして疼痛研究が推進された。分子生物学的アプローチや神経回路の解明といった,動物や細胞を用いたいわゆる基礎研究ばかりでなく,ヒトを対象にした機能的脳画像解析から大脳レベルでの知覚受容・認知メカニズムの解明も長足の進歩を遂げた。痛み研究に対する関心の高まりは,疼痛関連の研究論文が専門誌ばかりでなく,一流の一般科学誌にも掲載されるようになったことからも見てとれる。
そこで本稿では,今後の展開が期待される疼痛研究をいくつか紹介する。
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