徹底分析シリーズ 術前診察 基本の「き」
コラム:術前ルーチン検査—なくても麻酔,できるでしょ!?
山口 知紀
1
,
鈴木 昭広
1
Tomoki YAMAGUCHI
1
,
Akihiro SUZUKI
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.428-431
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201101
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術前診察基本の「き」,の中には当然,術前検査のチェックが含まれる。ルーチンで行われる基本の検査には,採血(血算,生化学,凝固,感染症),心電図,スパイロメトリー,胸部X線写真などが含まれる。
術前診察で感染症検査が未検の場合,結果が出るまで麻酔はすべきでないのだろうか? というより,C型肝炎ウイルス(HCV)が陽性だといっても,麻酔法に何ら影響はない。胸部X線写真のオーダー忘れに気づかず,写真のないまま入眠させてしまった。気管の情報が不明であれば,挿管ではなく声門上器具を選ぶべきなのだろうか? 自分の子の鼓膜チュービング術。吸入麻酔単独で5分程度で終わる手術。泣かせてまで術前血液検査を外来で行うか? おそらく多くの読者は検査なしで臨むのでは?…こう考えると,術前検査は本当に必要なのか? 逆に,絶対必要なのはどんなときか? 悩み始める。
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