特集 ショックのPatient Journey
❸ —外傷性出血性ショック:de-resuscitation—appropriate careを阻むICU管理のジレンマ—機能的再建,体液管理,VTE予防の最適化
田原 慎太郎
1
Shintaro TAHARA
1
1兵庫県立加古川医療センター 救急科
キーワード:
大量輸血プロトコルの合併症
,
VTE予防
,
腹部コンパートメント症候群
,
early appropriate care
,
safe definitive surgery
,
open abdomen management
,
OAM
,
蘇生輸液後の利尿
Keyword:
大量輸血プロトコルの合併症
,
VTE予防
,
腹部コンパートメント症候群
,
early appropriate care
,
safe definitive surgery
,
open abdomen management
,
OAM
,
蘇生輸液後の利尿
pp.167-173
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102201167
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はじめに
ハイブリッドERでの蘇生・damage control surgery(DCS)が終了しICUへ入室後2日目,輸液・輸血負荷を要さずバイタルサインの安定化が得られてきた,いわゆるROSE concept(resuscitation, optimization, stabilization and evacuation)のstabilization期1)といったところである。一次的損傷および開胸開腹,interventional radiology(IVR),大量輸液,輸血といった侵襲による臓器不全を不要な輸液により悪化させないこと,その後のマイナスバランス指向性管理(late conservative fluid management,late goal-directed fluid removal)が予後改善のカギとなる。
本稿では,実際の症例(症例は前稿からの続きである)を通じてキーワードで示した問題点を中心に,現状のエビデンスと若干のエキスパートオピニオンを含めた解説,そして本症例に対する実際のプラクティスに続けるかたちで解説する。
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