特集 重症感染症2
はじめに:重症感染症に対して集中治療医ができること
牧野 淳
1
Jun MAKINO
1
1横須賀市立うわまち病院 集中治療部
pp.1-2
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200590
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感染症はいつでも,どこにでも,誰にでも発症し得るありふれた疾患です。すなわち,どの専門分野で働く医療者にとっても避けることのできない疾患と言い換えることもできるでしょう。集中治療領域に目を向けると,2009年のICUを対象とした国際的横断疫学調査では,ICU患者の半数以上に何らかの感染症がみられ,70%以上の患者に対して抗菌薬が投与されていました。感染症を合併した場合の予後は不良であり,ICUにおける感染症診療の重要性が証明される結果となりました。
2018年11月現在,我が国における感染症専門医の数はわずか1500名弱にすぎません。このうち,集中治療領域に従事している感染症専門医の数は,さらにほんの一握りにすぎないと予測され,“感染症を専門としない集中治療医”の感染症診療のスキルをいかに向上させていくかについては大きな課題であるといえます。
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