連載
え? 知らないの?災害と人工呼吸器
矢田 哲康
1,2
,
森實 雅司
3
1川崎市立多摩病院(管理指定:学校法人聖マリアンナ医科大学)クリニカルエンジニア部
2国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科 保健医療学専攻災害医療分野
3済生会横浜市東部病院 臨床工学部
pp.430-436
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200762
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
医療機器のなかでも人工呼吸器は救急・集中治療医療の重要な位置を占め,頻繁に使用されるにもかかわらず,駆動源に電源や医療ガス(酸素,圧縮空気)を使用するため,災害発生に伴う停電や医療ガスの供給停止などに弱い。そのため,新たな機能として,酸素の使用量や電力使用量を最小限にする「災害時モード」などの開発も期待されている1)。新しい機能を期待される一方で,人工呼吸器の設定などの人為的エラーは頻繁に発生し,死亡率に関連する危険性も伴っている2)。
災害対策は非常に範囲が広く,特に医療施設において災害時の医療機器管理体制は重要事項である。そこには,多職種の視点を尊重し統合した対策を検討する必要がある3)。
本稿では,災害対策と防災の観点から,安全な人工呼吸器の機能や規格などについて再考する。
Copyright © 2020, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.