連載 Journal clubをやってみよう
第5回:Methodsを読む!:④結果に影響を与える交絡因子への対処
安田 英人
1,2
1鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科
2慶應義塾大学大学院医学研究科 博士課程医療科学系 臨床研究学
pp.492-500
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200404
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
前々回(第3回)は,結果に影響を与えるバイアスと交絡因子に関する総論を述べた。
今回は,交絡に対する具体的な対処方法・評価方法について解説する。
論文の内容を批判的に吟味するには,
①どのような交絡因子が存在するのか,
②交絡因子に対してどのような調整を行っているか,
③その交絡因子の調整は適切なのか,という視点が必要となる。
どのような論文を読む場合でも,常にこの吟味の姿勢をもつことが重要で,そのためには交絡因子に対する調整は,どの段階で,どのような方法で行うことができるのかを理解しておく必要がある。
第3回でも示したが,交絡因子の対処は下記の3段階で行われる。
①研究デザイン段階による対処方法:対象者の限定,マッチング,無作為割り付け
②研究実施時の対処方法:交絡し得る因子の情報収集
③データ収集後統計的解析による対処方法:層別化,調整(回帰モデル,多変量解析),
傾向スコア解析propensity score analysis,操作変数法instrumental variable
今回はこれらの具体的な方法と注意点に関して解説する。
Copyright © 2017, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.