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第5回:既存のデータを二次利用した観察研究を知っていますか?
笹渕 裕介
1
1自治医科大学 データサイエンスセンター
pp.486-490
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200403
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無作為化比較試験(RCT)は最も質の高いエビデンスとなる研究です。
しかし,費用・倫理面・その他の理由からRCTを行うことが容易でなく,また,RCTにおける組み入れ基準も非常に厳格であることが多く,その結果の一般化可能性は必ずしも高いとはいえません。
このような背景から,比較的安価で,実臨床を反映した既存のデータを二次利用した観察研究の重要性が近年見直されてきています。
診療報酬請求データベースや一部の疾患・手術などの登録データベースは規模も大きく,世界各国で研究利用のための整備が進んでいます。
今回は,データベースの二次利用,特に診療報酬請求データベースに焦点を当てて解説し,後半で日本の診療報酬請求データベースの代表であるDPCデータベースを利用した研究を取り上げ,その“Methods”を解説します。
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