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第3回:Methodsを読む!:②結果に影響を与えるバイアス・交絡因子と研究デザイン
安田 英人
1,2
1鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科
2慶應義塾大学大学院医学研究科 博士課程医療科学系 臨床研究学
pp.944-952
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200336
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これまでは“Introduction”で示されたリサーチクエスチョンから臨床問題の定式化(PICO)を行う際の留意点について論じた。この第3回からは,いよいよ実践的な内容に進む。
論文を読む第一の目的はそこで示される結果(アウトカム)を知ることであろう。
自分が知りたいクリニカルクエスチョンがあり,PICOを立てて論文を選定し,それを自らの患者に適用させるには,そのアウトカムが重要なのは当然のことである。しかし,臨床研究におけるアウトカムはさまざまな要因で歪みが生じ,妥当性が低くなってしまうことが少なくない。
歪みを正しく評価でき,かつ,その歪みを考慮したうえで結果を患者に適用できればよいが,歪みを正しく評価できなかった場合は誤った結果を患者に適用してしまうことになる。
したがって,その歪みを正しく理解・評価できるようにならなければならない。
結果に歪みを生じさせるのは主にバイアスと交絡である。
今回は論文を読む際に気をつけなければならないバイアスと交絡を中心に解説し,アウトカムに適した研究デザインの評価と,研究デザインとバイアス・交絡の関係,そしてバイアスと交絡因子に対する対処方法に関して理解を深める。
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