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第2回:Methodsを読む!:①PICO/PECOを評価しよう-
安田 英人
1,2
1鉄蕉会亀田総合病院 集中治療科
2慶應義塾大学大学院医学研究科 博士課程医療科学系 臨床研究学
pp.700-707
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200310
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前回は“Introduction”の読み方,つまり,リサーチクエスチョンを評価する重要性について論じた。
リサーチクエスチョンはその研究/論文が生まれた原点ではあるが,いわばまだ原石そのものであり,
そのままではまだまだ漠然としているものが多い。次に必要なことは,
リサーチクエスチョンをさらに掘り下げてより可視化する作業,「臨床問題の定式化」が必要となる。
実は,この臨床問題を定式化することは非常に重要であり,建築で言えば基礎工事のようなもので,
ここが明確にされていなければ研究全体に歪みが生じることになる。すなわち,
論文において最も重要な点の1つである研究の内的妥当性も外的妥当性も損なわれることになる(表1)。
リサーチクエスチョンが同じであっても,臨床問題の定式化の手段によっては
まったく異なった研究デザインが成り立つために,臨床問題の定式化が妥当であるかを評価することは,
その論文の質を評価することと同義でもある。“Methods”を評価するポイントの1つが,
この内的妥当性と外的妥当性が保たれているかを意識することにあるために,
今回は「臨床問題の定式化」を評価する方法について解説する。
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