特集 ICUエコー
Part 2 Intensivistに求められる超音波診断
腹部消化器系・尿路系
【コラム】経腸栄養における超音波の役割
東 倫子
1
,
松田 直之
1
Michiko HIGASHI
1
,
Naoyuki MATSUDA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野
pp.144-147
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200361
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経口摂取困難な重症患者における急性期の栄養管理として,早期経腸栄養が広く推奨されるようになった1〜4)。経腸栄養は,消化管や腸管関連リンパ組織gut-associated lymphoid tissue(GALT)の機能を保つ働きがあり,感染症の合併率を低下させることが報告されている5)。集中治療管理においては,経腸栄養管理の成否が重要な役割を担う。一方で,誤嚥や腸管不耐性などで経腸栄養を敬遠するケースも少なくない。経腸栄養管理をより円滑に施行するための対策として,栄養チューブの幽門後への留置が挙げられる。今回,超音波装置を利用した栄養チューブの幽門後への留置方法を紹介するとともに,栄養チューブの留置部位や胃内残量の評価について言及する。
Summary
●集中治療領域では,栄養チューブの幽門後留置を要するケースもあり,超音波装置を用いれば,比較的短時間で留置できる。
●幽門後留置の際は,コンベックスプローブを用いて右側臥位とし,エコー画像で水流を確認しながら行う。
●合併症としては気管内への誤挿入,誤嚥,消化管損傷があるが,注意深く施行すれば頻度が高くなる印象はない。
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