特集 ICUエコー
Part 2 Intensivistに求められる超音波診断
腹部消化器系・尿路系
13.肝臓,胆囊,膵臓
畠 二郎
1
Jiro HATA
1
1川崎医科大学 検査診断学(内視鏡・超音波)
pp.137-143
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200360
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肝胆膵領域は,腹部超音波診断において根幹をなすものであり,種々の病態評価に用いられているが,ICUでいわゆるPoint-of-Care Ultrasonography(POCUS)の一環として超音波診断が施行される場合,その目的や対象となる疾患が限られている。また,被検者である患者は重症な基礎疾患を有しており,十分な病歴聴取が困難なこともまれではない。本稿においては,ICUで頻回に遭遇する,あるいは判断に悩むような状況において,どのように超音波診断が役立つのかについて概説する。
Summary
●現時点で腹部のPoint-of-Care Ultrasonography(POCUS)に一定の手順はなく,必要に応じて各臓器を観察する。
●腹部膨満では,腹水と腸管拡張を鑑別する。
●肝酵素上昇では,脂肪肝,うっ血肝,まれに抗菌薬による石灰化乳胆汁をみる。
●発熱症例では胆囊炎,肝膿瘍,腸腰筋膿瘍などに注意する。
●急性膵炎をPOCUSで否定することは容易でない。
●消化管の超音波診断に習熟することは非常に有用である。
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