特集 産科ICU
5.神経学的管理—子癇発作,脳卒中,てんかん合併妊娠の管理
長谷川 瑛洋
1
,
藤本 礼尚
2
Akihiro HASEGAWA
1
,
Ayataka FUJIMOTO
2
1聖隷浜松病院 産婦人科
2聖隷浜松病院 てんかんセンター
pp.323-329
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200272
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産科領域において,意識障害・痙攣発作と遭遇した場合,どのように考えていくべきであろうか。何らかの神経学的異常を察知しても,どのような異常なのかが把握できなければ,早期に対応し得ず,再発も防止し得ない。このときの判断が結果に関係してくるため,即座にCTを含めた頭部の画像検査を行うべきである。薬物投与や頭部画像検査を施行する前のわずかな時間を利用して,病態の把握が少しでもできれば先手を打てる可能性があり,よい結果に結びつけられる可能性が出てくる。本稿では妊娠中に意識障害・神経学的異常を起こす疾患として,
・子癇発作(妊娠合併症として)
・脳卒中(偶発合併症として)
・てんかん合併妊娠(偶発合併症のその他の疾患として)
について述べる。
Summary
●妊婦の意識障害・神経学的異常に遭遇した場合には,妊娠合併症と偶発合併症を念頭において,適切に対応する必要がある。
●まずは子癇と見なして治療を開始しつつ,致命的な疾患を否定しながら鑑別を行う。
●原因検索について必要であれば,妊娠中であろうとも検査を積極的に施行する(母体の救命を優先する)。
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