Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
子癇発作における多発性可逆性病変
MR Demonstration of Multiple Reversible Cerebral Lesions in Eclampsia
梅村 淳
1
,
鈴鹿 知直
1
,
平尾 有希恵
2
,
金原 敏弘
2
1社会保険浜松病院脳神経外科
2社会保険浜松病院産婦人科
pp.945
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901183
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症例 34歳,女性。
正常分娩にて第2子を出産6日後より頭痛を訴えた。神経学的に明らかな異常を認めず,頭部CTでも異常所見を認めなかったので様子観察していたが,その後,口から泡を吹き,顔面を痙攣させ,失神状態でいるところを発見された。また,著明な高血圧(224/106)も伴っていた。徐々に意識は回復したが,発作前後の記憶は全くなく,全身痙攣後状態と思われた。MRIを施行すると,FLAIR(fluid-attenuated inver—sion recovery)法で両側頭頂葉から後頭葉皮質および皮質下に不整形の異常高信号領域を多発性に認めた。その後,対症療法にて頭痛症状も改善し,5日後に再度施行したMRIでは異常信号は完全に消失していた。患者は特に何ら神経学的異常も残さず退院した。臨床経過およびMRI所見より,産褥期子癇発作であったと診断した。
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