MEDICAL SCOPE
子癇発作とニトログリセリン
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.957
発行日 1995年11月25日
Published Date 1995/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901361
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最近では大変に症例が少なくなってきましたが,子癇発作という妊娠中毒症例があります。子癇発作はくり返すと脳出血を併発して母体死亡につながることもあるし,後遺症として多くの障害を残すこともあり,その発症はぜひ防止しなくてはならないし,万が一発生したときにはできるだけ早くけいれん発作を止めて,その再発を防止しなくてはなりません。
子癇発作をおこしたときの処置としては,ジアゼパム(ホリゾン®)剤やMgSO4(硫酸マグネシウム,マグネゾール®)剤の静注が日常用いられていますが,最近になってニトログリセリンがとてもよく効くということが報告されました。ニトログリセリンは皆さんもよくご存知のように,狭心症の発作のときの治療薬として有名で,その発作を経験した方や,発作をおこしそうな方は日常もち歩いているのも有名な話しです。今日では,皮膚にペタンとはりつけるだけで,すぐに吸収されて有効になるというとても便利な薬剤も開発されています。
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