特集 妊娠中毒
子癇及び子癇前症の治療について
山下 卓
1
1熊本市立熊本市民病院産婦人科
pp.39-43
発行日 1961年9月1日
Published Date 1961/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202197
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序
妊娠浮腫,妊娠腎あるいは軽症子癇前症の治療は,最近各種の降圧剤(アプレソリン,セルパシルなど),利尿剤(ダイアモクスなど),降圧利尿剤(クロトライド,ダイクロトライド,ロンチルなど)のめざましい進出によつて,きわめて強力なものとなつて来た.すなわちこれ等を適当に応用することによつて,少なくとも重症子癇前症及び子癇への移行を防ぎうるようになつた.
しかし母体にとつて直接死の危険にさらされるのは,強直性,間代性痙攣をもつて襲う子癇であつて,これはしばしば突発的に起こることが多く,適当の処理が遅れれば遅れるほど,母体の危険は倍加されるのである.
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