特集 ARDS Berlinその後
12.知っておくべき新しい呼吸生理学的指標—食道内圧測定,EIT,TPTDの意義と注意点
内山 昭則
1
Akinori UCHIYAMA
1
1大阪大学医学部附属病院 集中治療部
pp.145-156
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200141
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呼吸管理で最近,注目されている3つの新しいモニタリング方法,食道内圧測定,electrical impedance tomography(EIT),経肺熱希釈法transpulmonary thermodilution(TPTD)について紹介する。
Summary
●食道内圧測定は,呼吸仕事量測定,PEEPレベルの設定や自発呼吸努力存在下での経肺圧を評価するために役立つが,計測上の問題点も多いので留意が必要である。
●EITは,ベッドサイドでリアルタイムに非侵襲的に換気分布を画像化できる。PEEPなどの換気条件の設定に役立ち,呼吸管理に有用な可能性が高い。まだ評価方法としては定まっていないところも多いが,今後の発展が期待される。
●TPTDによるEVLWは,急性呼吸不全患者の治療において,有用な指標が提供される可能性が高い。算出に用いる計算式には種々の前提条件があるなど,注意すべき点が多いため,よく理解して用いる必要がある。
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