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第1土曜特集 ARDSの治療戦略――個別化診療への道筋
肺傷害のメカニズムと人工呼吸管理
【今後の診療ガイドラインに影響を及ぼす可能性のある呼吸生理学とエビデンス】
EITで評価する不均一換気
Ventilation inhomogeneity evaluated by Electrical impedance tomography
庄野 敦子
1
Atsuko SHONO
1
1島根大学医学部附属病院麻酔科
キーワード:
肺傷害
,
不均一換気
,
電気インピーダンストモグラフィ(EIT)
Keyword:
肺傷害
,
不均一換気
,
電気インピーダンストモグラフィ(EIT)
pp.91-96
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2860191
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急性呼吸窮迫症候群(ARDS)肺における不均一換気は人工呼吸器関連肺傷害(VILI)の発生につながり予後にも影響を与える.患者個々の肺傷害の程度には差があり,個別化した呼吸器管理は肺保護換気の実践には重要である.不均一換気をベッドサイドで可視化できる機器として,近年,電気インピーダンストモグラフィ(EIT)が集中治療領域で臨床応用されつつある.EITは空気によって上昇するインピーダンス値を測定することにより,肺内の局所の換気分布(reginal ventilation)をリアルタイムに表示する.
本稿では,EITを用いてどのように不均一換気を評価できるか,過去の研究結果を参考に紹介する.スクリーンに映し出されるdynamicな換気の情報に加え,より小さな領域のインピーダンスの変化に注目したEIT measuresとよばれるパラメータは,不均一換気を数値化したものであり,これらの評価がより洗練されたものになれば,ARDS呼吸管理の個別化の一助となると予想される.
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