特集 ARDS Berlinその後
【コラム】ARDSの臨床や研究で重要なアウトカムとは?
大庭 祐二
1
Yuji OBA
1
1University of Missouri 呼吸集中治療内科
pp.140-143
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200140
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集中治療においては,患者の緊急度や重篤度などの特性から当然のごとく救命することに重点がおかれる。したがって,集中治療における多くの臨床研究と同様に,死亡率が主要アウトカムに選択されることが多い。そこで本稿では,実際のプラクティスにおいてや,ARDSに関する論文の解釈,研究デザインにおいて,適切なアウトカムは何か?について解説する。
Summary
●主要アウトカムは,臨床上,重要なハードアウトカムであることが望ましい。
●患者中心のアウトカムの観点からは,単なる生存率ではなく,退院後に人工呼吸器から離脱して生存している割合がより好ましい指標だと考えられる。
●人工呼吸器使用日数と比べて,非人工呼吸器使用日数などのイベントフリー日数は,早期に死亡した患者の好ましくない転帰も反映されるため,より適当な定量的評価指標(メトリックス)といえる。
●代用マーカーの改善は,必ずしもハードアウトカムの改善につながらない。
●観察研究は予後不良因子を見つけ出し,可能であるならばそれらを排除し予後改善に役立てることにおいて,特に有用である。
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