焦点 看護ケアの質評価と改善─研究の成果と今後の発展に向けて
【看護ケアの質評価・改善システムについて】
アウトカム評価
桜井 礼子
1
,
福田 広美
1
,
粟屋 典子
2
1大分県立看護科学大学
2東京医療保健大学医療保健学部看護学科
キーワード:
看護の質評価
,
アウトカム指標
,
患者満足度
Keyword:
看護の質評価
,
アウトカム指標
,
患者満足度
pp.389-394
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100463
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
質評価においてアウトカム評価は,提供した医療や看護ケアの結果を表わすものであり,構造・過程指標と合わせて,どこに問題があるのかの根拠を示す重要な情報となる。また,アウトカム指標は,大規模調査を行なうことで標準値との比較ができること,継続してデータを収集することにより改善への取り組みの効果評価としても有用である。しかし,これまで行なわれている病院評価等で用いられるアウトカム指標は,医療の質を反映するものの,必ずしも看護ケアのみでアウトカムが決定されるものではないものも多い。このため,いかに看護が介入することによって結果に影響を受ける項目をアウトカム指標として選択するかは,重要なポイントとなる。
本稿においては,「Web版看護ケアの質評価総合システム」における,これまでのアウトカム指標作成の経緯と,アウトカム指標である「患者満足度」,インシデント項目として「転倒」「転落」「褥瘡」「院内感染」「誤薬」について,具体的な調査方法と調査結果,およびアウトカム評価の活用について紹介する。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.