特集 ARDS Berlinその後
10.APRV—ARDSに対して初めからAPRVを用いることは正当化されるか?
竹内 宗之
1
,
橘 一也
1
Muneyuki TAKEUCHI
1
,
Kazuya TACHIBANA
1
1大阪府立母子保健総合医療センター 集中治療科
pp.113-123
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200138
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本稿では,まず,airway pressure release ventilation(APRV)の理論的優位性,それに対する否定的意見を概説する。さらに,これまでのAPRVの研究結果のなかで重要な論文を紹介し,ARDS(acute respiratory distress syndrome)に対して,APRVを初めから使用することが推奨されるのかを検証していく。
Summary
●APRVとは,定期的に短時間の間欠的な気道内圧の開放を行う持続気道陽圧のことである。
●APRVにより,酸素化が改善するARDS患者がいる。
●APRVを使用する場合,自発呼吸を温存するほうがよい。
●APRVが人工呼吸器関連肺傷害を起こしにくいという根拠は乏しい。
●APRVが通常の換気方法のオープンラング戦略と比較して,ARDSの予後を改善するという根拠は乏しい。
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