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綜説
Airway Pressure Release Ventilation(APRV)
Airway Pressure Release Ventilation(APRV)
落合 亮一
1
Ryoichi Ochiai
1
1東邦大学医学部麻酔科学講座
1Department of Anesthesiology, Toho University School of Medicine
pp.819-826
発行日 2009年8月15日
Published Date 2009/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101313
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はじめに
陽圧換気に際して,従来は自発呼吸時のミラーイメージで気道内圧の管理が行われてきた.つまり,吸気時間は呼気時間よりも短く,吸気圧は陽圧である.吸気圧の管理については,吸気流量が一定の従量式(volumecontrolventilation;VCV)と吸気圧が一定の従圧式(pressure control ventilation;PCV)が主な選択肢であり,どちらも非生理的なパターンを示している.
本来,自発呼吸は胸腔内圧の変化によって肺の大きさが変化する結果,換気量が決定される.つまり,吸気時には陰圧をとり呼気時には陽圧となる.ARDS/ALIのような病的な肺で,炎症反応の結果肺胞の含気が減少したり,無気肺の状態となった場合,肺全体のコンプライアンスが減少することから過大な呼吸仕事量を必要とし,同時に肺胞の面積が減少することでガス交換が影響される.
この際,肺胞の含気を改善し(つまりリクルートメント),呼吸仕事量とガス交換を改善することがAPRVの目的である.つまり,CPAPの延長線上にある換気設定がAPRVの特徴であり,その適応と限界を示しているものと考えられる.
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