増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
炎症マーカー
APRスコア
西田 陽
1
1北里大学医学部臨床病理
pp.48-50
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909748
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検査の目的・意義
MRSA(methicillin-resistant Stmphylococcus aureus)の出現によって,細菌感染症は新しい局面を迎えたように思われる.細菌感染症の対策は,いたずらにパニックに陥ることなく,基本に返ることが大切であろう.確実な無菌操作,患者への確実な環境の整備がなされれば,基本的に,ヒトを介したすべての感染症への対策は成り立つといえる.
基本に返ることで,医師に最も要求され,他の医療従事者には求めることのできないものに抗生物質の適切な投与がある.安心のためにしばしば行われる不必要に広域に有効な抗生剤の投与や不必要な長時間の投与は,菌交代を招き,本来弱毒菌である耐性菌による重症感染症の誘因となる.
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